JR 豊橋駅西口エリアにある賃貸オフィスビルの一室に、求人・企業情報等の発信を行う企業の事務所を計画した。トラバーチンを模した紋様が型押しされる石綿吸音板などの建材がなぜ一般的な執務空間で典型的な素材として用いられるのか批評的に捉えるために、既設の床・壁・天井の仕上げには手を加えず、機能面からから型押しされたエンボス加工の紋様や木やセメントと補強繊維などの原料素材がつくる紋様を等価に組み合わせ、何が本物の模様で何が偽物の紋様のなのかという素材に対する記号的な認識が曖昧になるような操作をした。また、真北方向を指す壁を室内に挿入することで斜めの壁が置かれているとも建物の方が斜めになっているとも認識できるような状況に設え、幹線道路が集結する交差点の鋭角地という立地特性を室内に表出させようと考えた。
竣工: 2019.6
用途: 事務所
規模: 84.58㎡